2018年6月29日金曜日

別テイク考


似たような話を以前にもしたけど。

80年代にレコードからCDに移行していく頃、いままで存在すら知らなかった「別テイク」がボーナストラックとして収録されることがよくあった。当時CDを買っていた人にはなつかしい話でしょう。
レコード会社はサービスのつもりだったのだろうし当時はこっちとしても「おぉーーー!!すげえ!!」って感じだったけど、今になってみると不要、蛇足、である。余分なものがあるせいでどうもすっきりしないのだ。

別テイクの収録位置については以前かいたので省くけど(せめて最後にまとめてくれ、とか)、たとえばビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」では本来は別テイクがあることに歓喜したのにいまでは最後の曲マイルストーンズが終わったあとにまだ曲が続くことに違和感があるのだ。スコット・ラファロ擁するエヴァンス・トリオの渾身の演奏なのにこの扱いである。もしレコード会社が商売っ気をだしてヴァンガードの別テイクを別のアルバムとして発売していたらけっこうなセールスができたと思うし、ファンのほうでも丁寧な扱いをしたとおもう。
リー・リトナーの「ジェントルソウツ」をみるとよくわかる。別テイクを発売したとき、あの「ジェントルソウツ」の別テイクがあったのか?!と喜んだファンは多かったはず。いまでは別テイクは余分なものとしてとらえられているようで再発アルバムに収録されていないことがほとんどだよね。

別テイクではないけど、CD追加曲の別アルバム化という点について。ヴァーヴの「ゲッツ&マリガン」のCD追加曲と「ゲッツ&ピーターソントリオ」のCD追加曲は、この2つのセッションを合わせて別アルバムで発売されていたことがある。いまではCD追加曲として入手できるけど、先日タワレコにいったらわざわざそれがCD化されて売られていたからびっくりした。



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