昔あった、知人Aの話。
知人のベーシストAくんのバンドに新しいドラマーが入った。Gさんという。Aくんよりも年齢が上で人間性もわるくないんだけど、これまでやってきた音楽がどうもジャズじゃないらしい。バラードやっても力強くフィル入れていつの間にか8ビートにするし、ジャズの叩き方が全然できない。技術だけはある、という人だった。
Aくんはバンドリーダーが何か言ってくれるかと期待していたが、リーダーはそのあたり無頓着で、自分が気持ちよくピアノを弾ければあとはどうでもいいという感じ。で、Aくんがいろいろ話していたら、どうやらGさんはほとんどジャズを聴いたことがなく、「オレの技術ならどんな音楽でもできる」という考えでやっていることがわかった。たまにいる、こういう人。
おそるおそるAくんが「たくさん名盤とか聴いたほうがいいですよ」と言ったら、不機嫌になってしまった。
あるとき、ライブにボーカル(当然女)をゲストで呼ぶことになった。それなりの美人で、メンバー全員嬉々としていたが、Aくんはふと思いついて、そのボーカルに頼んでGさんに言ってもらった。
「私、ジャズのドラム大好きなんです。フィリー・ジョーとかシェリー・マンとか、ああいう風に叩ける人ってかっこいいですよね」
後日Gさんが、「ねえAくん、お薦めのジャズレコードある?フィリー・ジョーが参加しているやつとか」ときいてきたそうだ。
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