おいらはジャズ・ボーカルはキライではないが、詳しくはなく有名どころしか知らない。ビリー・ホリデイについてもたくさん聴いたわけではないが、あまり好きではないとはっきりいえる。
この自伝は虚偽の内容がたくさんあるとか、本人が書いたのではないとかで有名だけど、テンポよくおもしろく読める(おもしろく、などというと彼女の悲惨な生い立ちに対して失礼かもしれないが)。しかしながら、麻薬を絶てないことや仕事をしても結局金が残らないことなど理解不能。当事者じゃないからあたりまえかもしれんが。ジャズメンはみんなそうなのかもしれないけどね。
あと、会う人みんな彼女に惚れるかのような展開はにわかに信じられん。本の後半は大和明氏の解説が延々とあるのだが、なんというかSJ系保守派評論家的な雰囲気の文章で、彼らにありがちな独自の理論で「○○的」だとか「感情を抑制して」とか「○○を昇華した」とかが散見される典型的な昔の評論文だ。「明るい曲でもビリーの歌唱は苦悩を感じさせる」みたいなことを言ってるがおいらはまったくそう感じない。同じようなことを言っている評論を他でも見かけるが、集団催眠にでもかかってるのかとおもう。ある曲を挙げて「絶妙な崩し方」というがおいらには耐えられない崩壊としか感じられない。否定はしないけどね。
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