この曲の名演にはどんなのがあるだろうか。
まず真っ先にあがるのが、やはりコルトレーンのバラードだろう。
超スローテンポで、エルビンはブラシをつかわず、８小節ごとにバンプみたいなものを挿入して、もともと「What's New?」が好きだった人にも「おいおい、この曲こんなに名曲だったっけ」と思わせるほどのもの仕上がっている。と思う。ジャズを聴き始めた最初期にこれを聴いたおいらは、その後別の人の「What's New?」を聴いても違う曲だと思っていたくらいだ。
それから、これまた名演とされている、スタン・ゲッツの演奏。
ボソボソと深夜のしじまを縫って聴こえてくるような演奏が最高だ。音符がだんだん細かくなっていく。
ウェス師匠のバージョンもいいですね。もっとも、ただでさえバラードプレイが素晴らしすぎるウェス師匠、むしろここでの演奏はいつもの完璧１００点満点演奏よりシンプルで、なんだかさらりと流してしまう。
そして、おいらが「What's New?」で一番好きなのがこれ、ベンソン先生の演奏だ。
ジャケットは「なんじゃこりゃ」という感じだけど、ここに入っている「What's New?」は、なんというのかな、ラテンというよりはハワイアン風で、トロピカルで最高なんですよ。特にいいのがハービーのピアノ。
エヴァンスとジェレミー・スタイグの「What's New?」というアルバムもあるね。あのアルバムは、１曲１曲はどれもいいんだけど、連続して聴くとなんだかどれもジェレミーが同じアプローチだし、ゴメスが何をやっていいかわからない時期だし、エヴァンスがまったくベースソロのバッキングをしない時期なので、どうも落ちるんだよね。
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